深夜の暇つぶし

まだ寝たくない夜ってあるよね

Liberté, Égalité, Fraternité〜イノサンmusicale〜

 

こんにちは、こんばんは。

イノサンmusicaleを観てきました!

イノサンフランス革命時代の死刑執行人を主人公にしたお話です。

フランス革命で私が真っ先に思い出すのはヒュージャックマン主演の映画レ・ミゼラブルです。市民側から歴史を考えることが多かったので新しい視点でフランス革命を考えることができた良い機会になりました。

 

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ホワイエが素敵過ぎた。

 

普段、原作を知らない舞台を見るときはあんまり予習をしないタイプなので初日は原作を読まないで行きました。まぁ、史実ものなのかな、と。

そしたらびっくり!初日の感想!

史実ミュージカルかと思ったら現代学園ドラマだった(?)

 

冒頭の演出からびっくりしました。なんでみんな学生服着てるの?って。笑

むちゃくちゃ規律の厳しい現代の学校でフランス革命について学ぶ、そこでサンソン一家の話をして本編に突入するという流れ。うん、まぁ、導入ということで一旦置いとこうと思いましたが、本編に突入して今何のシーンなのかわからねぇ・・・と置いてけぼりにされるくらい話の進みが早い。

 

キャストの歌唱力、演技力はとてもよかったのですがなんだかイマイチ心に響くメッセージやドラマがなくて物足りなさを覚えてしまいました。原作を2時間にまとめること自体すごく大変だとは思うのですが、それにしてもストーリの抜粋の仕方がアレなのか掘り下げが中途半端で役の気持ちが臨場感を持って伝わってこなくて、盛り上がりポイントがわからないと感じてしまいました。

個人がアクションするときには必ずなぜそのようにしたか、何を思ったのか、どんな関係性があって過程があるのかそういう背景知識がしっかり欲しいタイプの人間なので流れだけババーっとやられても共感し辛かった。

キャストさんの演技は本当に素晴らしかったんですよ。

 

 

そんなこんなで初日はこれに1.3万かぁとモヤモヤした気持ちを抱えて帰路に着いたので、次はちゃんと原作を読んでから行こうと思いイノサンイノサンRougeを一気読みしました。

 

そしたら原作がめちゃめちゃ面白い。

もともとフランス史が好きだったし、中でもフランス革命は私の専攻に深く関わりのある分野だったから面白過ぎて一晩で読み終えてしまった。笑

 

原作を踏まえて見た舞台は初日のイマイチな感想の6割は覆されましたね。

展開がよくわからなかったシーンは原作と答え合わせして脳内補填しながら見てたら気にならなくなった部分が多かったです。

 

キャストの役のハマり具合も初日と比べて格段に自分の中で納得がいくようになったし、何より「楽し〜〜〜!!」って舞台を観てる途中に思えたからちゃんと原作読んでよかったと心から思いました。

 

でもやっぱり、脚本に関しては原作を読み終えた後だからこそ余計に、展開が早過ぎ、盛り込み過ぎ、はしょりすぎなのがもったいない!!!!!

原作のメッセージ性やそれぞれの関係性が深くて面白いだけに余計そう感じました。

 

執行人として一人前になるシャルルだけでもよかったし、シャルルとルイ16世の生涯とか、マリーの自律と市民革命だけとかもっと絞って欲しかった。あの素晴らしいキャストさんたちだったら絶対素敵な舞台を見せてくれるからどこか一つを深く掘り下げて欲しかったなぁ。

 

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原画展にも行きました。すっかり原作のファン。

結局、脚本以外全部好き。

という感想にまとまりました。笑

 

 *ここからマイナス意見やら何やら好き勝手書いていくから注意!

 

脚本

*とにかく何だあの冒頭と最後の現代パート!!その時間を本編の話を描くのに割いて!!

*原作と違う話にしたのはなぜ?グリファンの処刑は友であるバチストがやるから意味があるんじゃないの?

*マリーとアランの話があっさいことあっさいこと。

*ド・リュクセとマリーの話はしっかり処刑台で行なって欲しかった!感情に任せてド・リュクセを殺したみたいな話になってるじゃん、違うでしょ。

*シャルルの処刑人として生きていく覚悟を決めた決意の過程をもっと深く描いて欲しかった・・・。

*オリビエの話があまりにも軽くさらっと書かれているから革命が起きること自体の重みがわからん。原作ではそのシーンにものすごいページ数を割いているのに。マリーが市民側に味方した心情変化もわからん。そこが見たいんだ。

*それに伴いジャックの話も足りないから義足のくだりも理解し辛い、何でマリーとそんなにバチバチなんだろう、って。

*貴族側の掘り下げも足りないよ〜〜マリー・アントワネットとかまじでただの頭弱い尻軽女みたいな感じになっている。そうなんだけど、そうじゃないんだよ。

*とにかくカテコで制服着てるのが気に食わん。あの素敵な衣装を見せてくれ。

 

特に心に残ったキャストの皆様

 

ルイ16世ことおおたのもっくん

本当に素晴らしい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!あの衣装を着こなすのもすごいし、歌がうまい。戴冠式のシーンの衣装があまりにも大好き過ぎて永遠にあのシーン観ていたかった。演技もすごく好きで、特にシャルルに特権身分にも納税の義務を負わせることを相談するシーンがよかった。社会がだんだんと王政と貴族の必要性を感じなくなってきたことはルイ16世本人もわかっていただろう。それでも彼は王としてトップにいなければならない。 その中で自分が実現できる「平等」とはなんなのか。貴族側から見た「平等」が垣間見えた。どのシーンも総じて表情がすごくよかった。

 

*フェルゼンこと鍵本輝さん

顔がいい!!!!!!好き!!!!!!!!!!!(クソでかボイス)

変態だけど好きだ!!!!!!!!!

 

*マリーこと中島美嘉さん

スタイルがあまりにも良過ぎて、細過ぎて殺陣のシーンとかは剣に振られてた気がしたからそこがちょっと残念だったけど、最初にマリーが「最悪」っていうシーンがねもう最高。片頬釣り上げて「最悪」って言ってたの見てマリーだ!って思った。

 

*ジャックことあらまっきー

あのビジュアル相当好きで、めったに買わない個ブロ全種類買った。

殺陣が安定してて最高だ!!!!でも形が綺麗過ぎて第三身分の身のこなしには到底思えなかった。笑

歌も上手くなってたし、何より演技が好きだった。あの時代の市民から見るフランス社会の様相が言葉と表情から伝わってきたし、彼が描く理想の未来のフランス社会も男性中心社会の人の考えって感じで女の私はマリー同様嫌気がさしたけど、あのシーンは嫌気がさして正解だよね。それくらいはっきりとしたあの時代背景を組んだ市民としてのものいいだった。

 

ここに書いてない方達も含めて

キャストの皆様は総じて最高だったよ!

脚本が肌に合わな過ぎて総合的に舞台を観るというよりか、キャスト個人個人の演技を観に行ってたという感覚が強い。笑

 

虚無、虚無言われてたけど、キャストの演技と衣装を観に行ってると思ってたから私はそこまで虚無を感じなかった。最初と最後の現代パートに関しては、私は嫌なことに対して心の目を閉ざすことができる能力があるので(?)そんなシーンはなかったことにしました。

 

2019年の舞台納めでもあったのでついつい長々と書いてしまった!

今年の現場まとめもやりたいな〜!

それではまた!